[舞え舞え断崖] 赤江 瀑
[舞え舞え断崖] 赤江 瀑/講談社文庫 ※絶版

19890115 第一刷
講談社文庫 本体@380 275頁

女形の橋
水鏡の宮
耀い川
舞え舞え断崖
悪戯みち
柩の都
黒馬の翼に乗りて

解説:巌の花 小林孝夫



…書誌データ付記しようと思ったはいいけど、面倒いなorz
何よりNDCコードが奥付に無い(旧すぎ)…小説は、大分類が9だっけ?
多分912だか913。一昔前に演習で目録作業やったきりなんでもう曖昧。勤務先のコードは微妙にNDCと違うし;

余り細かく記載しても詮無いので、収録タイトルだけは列記していこうと思います。
表紙画像は手間なので載せません。





久々に読み返すと、やっぱりほとんど記憶に無かった。
過去が現在を呑み込むというか…回顧に付きまとう懐かしさや甘やかさ、郷愁の感覚は湧いて来ないのが赤江作品には多い気がする。

刺客のように唐突に影より裡を衝き、現在の生を果敢なくしてしまう。
それを、どの語り手も享受する。
不意に眼前に立ち上る陽炎のような罪科を――物語の中の僅かな呻吟の果てに嚥下することを是とする。


潔さは、多分、ほとんど無い。
ただ何処かで「待ち望んで居た」ことだけを識って居るだけ。

導かれる儘に、路を歩む。
気付かず血に塗れた足裏で、荊を踏み拉き――胸の裡にだけ存在する、己にだけ歩める咎喰いの路を。


永遠に彷徨い続ける六道の、
抜けられぬ無明の廻廊に過ぎぬとも。

私たちの身の回りには古典や詩歌、或いは懐かしい人の文……脳裡に刻まれた映像、言葉、表情。
ありとあらゆる″其の路″への陥穽が、手薬煉引いて其の刹那を待ち侘びている。





余談ですが、冒頭の[女形の橋]だけは単品で読むよりも事前に同著者の[罪喰い]を読まれておく方がより深く騙りに嵌れると思います。
勿論、能楽に詳しい方なら、其れが無くとも味わい深く読めると思いますが。

一本一本の感想というか、雑感は今後も控えるつもりです。
一冊にまとまった時にだけ立ち上る、其の表情や内包の傾向が面白いので。

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by yoiyamigentoukyou | 2010-06-28 01:39 | 読書/赤江 瀑