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寓話に透ける哀しみは蕩ける [チャーリーとチョコレート工場]
深い深い、何故かしあわせな安らぎをくれるチョコレートの色彩。
残念ながら、私の運んだ劇場では香りの演出はありませんでしたが(笑)。


今にも崩れそうな絶妙な傾斜の小さな家に、両親と寝たきりの4人の祖父母と共に暮らすチャーリー。一年に一度、誕生日の日にだけ食べることが出来る大好きな”ウォンカ”の板チョコレート。
15年も閉鎖されたまま、無人のはずなのにチョコレートを生産し続け、世界中を虜にし続ける謎のチョコレート工場。けれどもこの年、工場主にして天才的ショコラティエ・ウォンカのたっての希望で、工場の門が開かれることになる-曰く、板チョコレートの包装に封入りされた、5枚の招待券・金のチケットを手にした5人のこどもたちを一日だけ工場に招待する。

ウォンカのチョコレート工場、その秘密とは……



何と言っても、この傾斜した不可思議な歪みを持つチャーリーの住む家、これがもう、ティム・バートンって感じでした。屋根とか床とか、抜けて居るのに、雪に覆われた屋根から零れる室内の橙色の光りがとても暖かくって。
…チャーリーが本当、健気でね、開始早々に泣いてしまいました。
チケットが彼の許に舞い込むまで泣いてましたよ、工場の中以降はちっとも泣けなかったんだけど(…感じ入る箇所が絶対人とずれてるよね、俺;)。

私、ティム・バートンの作品って、うろ覚えの[ナイトメア・ビフォア・クリスマス]と、頭から最期まで泣きっぱなしだった[シザー・ハンズ]しか知らないんですが(しかも両方TVで偶々見ただけ)、なんていうか、寂しいけど暖かい、でもやっぱり哀しいっていう感じがあって。
この作品も、寓話というか、大人の人ほど耳に痛い、風刺的な内容だと思うんですが…それを視覚的に提示して諭すウォンカ自身が心に欠けた部分を持っていて、最後にそのピース(欠片と平穏)を得ることが出来たというのが、優しくって。

貧しくても、何が大切なことなのかをちゃんと識っているチャーリーに、本当に背を正される思いでした。


それにしても、ウンパ・ルンパという小人の一族だとか、訓練されたリスたちだとか…凄まじいまでの意匠に溜め息。凄いなぁ…文章や絵で表わすのは簡単だけど、それを造形に顕すのは本当に大変だったろうなぁ、と思う。

とまれ、実は一番感じ入ったのはクリストファー・リーだったり;
白衣をまとって、思い掛けない邂逅に慄きを隠せない演技が素晴らしかったです。

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by yoiyamigentoukyou | 2005-10-25 21:16 | 映画も観る