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果ての世界の虜囚 [46億年の恋] 
過去と未来、古代の最高文明と現在の最高文明の狭間の廃墟…ただ荒涼とした砂塵の舞う、ノドの地のような刑務所へと招かれた二人の囚人。

…詩的過ぎて、難解と言えば難解。
答えがあるようで、でも無い、かな…心象風景のような視界が最後に引く現実の答えが何とも味気ない(ように感じました)。


同日に同じ雑居房へと収容された有吉と香月。ある日、柔らかく陽が射す房で、静かに香月の喉を絞め続ける有吉の姿が発見される。

「ぼくが、やりました」
単純に見えた事件はしかし、追究する程に混迷を極めていく……



以下、ネタバレ込みの雑感です。


取り敢えず、同性愛がモチーフになっては居るけれど、むしろ極めて排斥されているように感じました。言い方が上手くないんで通じ難いかも知れないんですが、確かにエロティックというか、男性性の象徴的なカットは多かった。でもそれ以上に登場しない女性性の視界が其処此処に感じられた。

片側にはピラミッド、もう一方には宇宙船の発射台。放射状の雑居房には荒行の最中のような青年犯罪者たち…

事前に購入した券に付いていたミニパンフ? の煽りで、何となく最後が自分殺しってオチなんやろーな…っていう感触はあったんですが(緩慢な自殺というか、[ギミーヘブン]に通じる逃避の感触が;)。


でも映像はほんと、綺麗でした(でも、て何じゃい;)。
黄、碧、紫…そして闇。漆黒じゃなくて、無垢の闇。まっさらだからこそ、有吉の情念は深くて、それが享受する・包容の性を知らない香月を追い詰めてしまったのかな。

安藤さん扮する香月の、刺青がなんか良かったです。ペイント丸判りの墨の色には苦笑ですが(墨は皮膚の下に埋まって初めてあの独特の青さになるからなぁ…せめてヘンナで描くとかして欲しかったな;)。
と言っても、あの刺青、描かれてたり消えてたりしてましたが; もしかして有吉にしか視えてないモノだったのかな? 有吉にとっての男性性の象徴とか?

安藤さんのこう、細身の背中とか脇腹とか、隆起する生々しい体躯を。
烈とした熱いんだが冷たいんだか判らない眼差しで追い掛ける松田龍平。雨上がりの虹のシーンでの、あの頬に伸ばされた指が切なかったなぁ…泣けはしなかったけど、迫るものがあった。

雪村役の窪塚俊介も、色気がある若手ですね。有吉のダミーのような、影のような雪村が俗っぽい程、有吉や香月の純粋な狂の部分が強調されるようで。


難を言えば、有吉と香月の体格差が弱いかな、と。香月が華奢過ぎて、ちょっとバランスが悪い(有吉の役は、もっと幼い感じの人の方が良かったのかも; でもあんな眼で物を云う+妖しい眼差しが備わってるような若い役者、他に思い付かないもんなぁ…成宮とか?)。

あと、あのホラーティストな奥さんの映像はどうなんだろ? 焦げる場面のアニメとか発射されたロケットとか…なんか、CGも使い方が唐突だと却って異物に感じてしまうのですが;


映画が好きっつーか、出てる俳優さんが好きって場合以外、お薦めし難い作品かも。前衛過ぎるし、微妙にまどろっこしい…でも冒頭の遠藤さんの独白は好き。

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by yoiyamigentoukyou | 2006-09-06 20:53 | 映画も観る