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言葉とリリシズムと、少しの歩み寄りの [しゃべれども しゃべれども][キサラギ] 
[しゃべれども しゃべれども]
[キサラギ]


まとめて感想を残すのは、この二つの作品が似ていると思ったから、なのですが。

[しゃべれども しゃべれども]は地味な作品だけど、それがらしい、って思える。

二つ目のウケの悪い落語家・三つ葉はひょんなことから自宅にて話し方教室を開くことになる。
美人だけど年中仏頂面の十河、関西弁ゆえに馴染めない日々に悩む少年・村林、解説出来ない元プロ野球選手・湯河原…心に思うことを、声に表情に表すこと。ただそれだけのことが上手く出来ない彼らと三つ葉。



なんというか、実直な話、二つ目っていうのが関西に馴染みない階級なんでよく判らない(駄目じゃん)。
ただ、みんなが悩んでることは普通に日常に幾つも転がっている問題だから、とても身近には思える。


対して、[キサラギ]はとんでもなくハイテンションな会話劇だ。

自殺したとされるアイドル・如月ミキの一周忌。ファンサイトのBBS常連5人が一周忌を偲ぼうととあるビルの屋上の一室へ集う。
HNで素性を告げぬままに始まったオフ会はやがて、一人が口に登らせた一言から様相を一転する。

曰く、「如月ミキは自殺ではなく、殺されたんだ」



癖の強い俳優が5人、ワンシチュエーションの舞台性の強い演出の許で展開していく台詞の応酬の凄さ。
息吐く暇が無いんですよ…細かな仕草とか行動とか、全部伏線なんです、圧倒されます。


人と人との縁というか。
繋がりっつーか。

この二つの作品を続けて味わった時、本当に不思議だなぁ、って感じる。
どっちもある意味予定調和な終わりを迎えるのだけれど、個人的により胸に残る何かが大きかったのは[キサラギ]でした。


笑って、笑わされまくって。
それで凄く泣かせるんだ、あの結論に。

途中から如月ミキの死の真相なんて、丸解り状態になるんですよ。「実は実は」の伏線の回収は、映画よりも演劇、もっというと歌舞伎とかの伝統芸能の十八番だし。


細かな、蜘蛛の糸のように繊細な係わり合いの糸。
その凄絶さが、何処か恍けた落語だったり台詞とリアクションの応酬の影に底に、ずっと視得ている。

本当にいい作品だなぁ、と。
(まぁ、しゃべれ~の方は関西ゆえの落語の日常への浸透率が低い分、ぶっちゃけ解り難い面も多かったけど;)。





さて。
しゃべれ~は主役よりも伊東四郎とか八千草薫だとかのベテラン勢の演技が素敵でした。

キサラギはもう、5人ともテンション高くて!
特に香川さん、最高過ぎでした…嗚呼、なんて歌舞伎界にとっての損失(諦めろ)…怪演過ぎて思い出しただけで悶える(笑)。あのカチューシャさぁ、絶対告知とかパンフのスチールのと違うよね?

若手二人も楽しそうなのが良かった。小栗旬のくるくる変わる表情とか、切ない「虫ケラ」発言が今も記憶に鮮やかっス。

圧巻は最後に見せるチームワーク。
こんなにフィルムの最後まで楽しかったのは[ジュウブンノキュウ]以来かも。


どっちも面白かったけど、しゃべれ~の方がちょっと生真面目なので、オススメはキサラギの方かな。まぁあの面子で面白くないモノになるはずがないので、是非v

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by yoiyamigentoukyou | 2007-06-26 20:27 | 映画も観る