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莫迦だなぁ、と。
咽びながら想った。最後の最後、高く高く宮廷の庭に張り巡らせた縄を蹴り飛翔するチャンセンとコンギル。
その色彩が鮮やかであればある程、その終焉が切ない。


実在の、朝鮮王朝第10代国王・燕山君をチャンセン・コンギルという二人の芸人を絡めて描いた作品。王とその愛妾とを風刺した芸で人気を得たチャンセンとコンギルはある日、侮辱の罪で捕縛される。「王が笑えば、侮辱ではない」と、チャンセンは命懸けの舞台を披く。


以下、想像過多なネタバレ在り雑感です。

潤んだ眸で、哀しげに見上げる。
その眼差しに、王は己の中の孤独を視たのか…それとも狂気を視たのか。
無垢だからこそ、残酷。そして我儘。
コンギルはチャンセンに認めて欲しかったんだろうな…と思いました。何時だってコンギルを庇っちゃうチャンセン。純粋に芸を愛してた二人。それが悲劇に繋がるのがとても哀しかった。

国王・燕山君も純粋な人。
彼は出会ってしまったんだよね…亡き母を思わせる儚く微笑する可憐な人に。何処までも深く享け入れてくれる海のような母性の人・ノクスよりも、記憶の向こうに朧ろに漂っていた母の狂気に通じる眸をしたコンギルに。

元々の舞台原作は、同性愛の視点が存在していたそうですが、その見方は、やはりすべきではないと映画を見た今は強く思います。
国王でありながら、重臣達よりも権力の低い己の価値に悩む燕山君と、対等に扱ってはくれないチャンセンへの無意識下での深い悲しみを負っていたコンギルとが痛みを分かち合える存在として心を通わせるのはとてもよく判る。

でも傷の舐め合いは、誰も幸せにはしない。
箱庭はあくまでも贋物で、その蜜月は簡単に爛熟を迎える。
「芸人であったから」高みを目指し、その禍を迎えてしまったチャンセンが、そうしてコンギルが。
「生まれ変わってもやっぱり芸人になりたい」と笑う。

その毅さが苦しくて、嗚咽を抑えられなかった(というか周辺全員泣いてました。男性とかも)。


私は基本的に韓流って苦手なのですが、[王の男]は観に行って本当に良かったです。色彩も凄く綺麗で、キャッチコピーの通り、コンギルは美しい人でした。目許は凄いね、艶っぽいと思う。
兎に角びっくりしたのはアクションの凄さ。あの盲目になってからの綱渡りのシーンの凄絶さは言葉になりません。

燕山君は確かに暴君だったかも知れない。
それでも、彼を哀しいと思うのは、例の判官贔屓のせいだけではないと思う。

# by yoiyamigentoukyou | 2006-12-23 20:44 | 映画も観る

20061220 BUCK-TICK THE DAY IN QUESTION@神戸国際会館


大したレポじゃないですが;

≫SET LIST
SE/FRAGILE ARTICLE(ランラララーンってあっちゃんがハミング)
…IN HEAVEN…
MACHINE
JUST ONE MORE KISS
SEX FOR YOU
J
M.A.D.
GLAMOROUS
Tight rope
密室
Schiz・o幻想

残骸
LONG DISTANCE CALL
極東より愛を込めて
鼓動

E/ENTER CROWN(SE)
 降臨
 ROMANCE
 蜉蝣
 夢魔
 SILENT NIGHT
 Jupiter
 さくら
 COSMOS


開演は20分遅れの18:50。まぁ早めですかね。
本編終了は20:10、一回目のアンコール終了は20:40頃で、もう一回アンコールあって、最終20:10頃に終演。

あっちゃんはオールバックで(今回最後の方しか髪が乱れてなかったので、結構がっちり整髪したんでしょうかね?)、長めの臙脂ベースのコートみたいなジャケ。襟の切替し部分が黒かったような。インナーは不明。イタリアマフィアちっくな紅いマフラーを効果的に使ってました。パンツは黒。

英さんは茶髪が伸びてて、+髭(…何、流行ってんの?;)で何だかワイルドでした。初めはグラサン掛けてたー。衣装は黒のゴツめジャケ+黒パンツ。ゆたさんは外撥ヘアに黒。いつもと大差なし。アニィは白黒ストライプのジャケでした。

んでもって今井さん。もー何、この人。なんで毎回こんなに意表を衝かれちゃうの? なんでそんなに何着ても似合うの? 髭でしたねー、もうデフォにするんだろうか; 髪は肩過ぎくらいまであって、なんか、きららん、って光るピンだかクリップだかで右側の前髪を耳許で留めてました。髪自体も部分部分で金ぽかったり赤っぽかったり焦茶ぽかったりに見えました。
でもって胸元開け気味な黒のインナーの上に豹柄(と思ったが)のコート。襟は黒系のファーなのかな? パンツ覚えてない; 告知のアクセは今井ちゃんだけ何とか「あ、着けてる」ってのが判った(2階席遠いー)。


ちょいと戻りますけど、映画見た後、愚弟の為にケーキ購入して一旦家に戻ったんですよね…で、16:30くらいに出掛けたんですけど。会場には17:30に到着はしたんですが、事前物販は丁度締め切った後だったんで、マクドにて腹ごしらえ。開場時間に会場行ったら、入場列の長いこと長いこと。ぐるーっと吹き曝しの中で整列。比較的暖かかったから良かったけどね。

入場すると、先に物販へ。パンフとトレカだけ買って、長ーいエスカでロビーへ。告知のアクセの現物を見たり。今回は2階席の激下手側だったんですが、想像してたよりは見えましたです。

予定時刻を10分過ぎた当りでアナウンスがあり、そろそろか、と身構えてたら更に10分が経過。蒼い光の中、「らんらららーん…」と意表を衝くFRAGILE ARTICLEで開幕。一曲目は…IN HEAVEN…。私の視線は今井さんに釘付け(笑)。

何、何処の貴族が狩りに来てんの!?
…あの髭と肌の色白さの組合せに何故か狩猟趣味の有閑貴族を想起させられてしまい、気が付くと公演中、ほっとんど今井さんをグラスで追ってました、私。服装的にはガーリッシュなのにね、もうあの髭が! そしてあの髪型が!

えーとね、ヒデさんはグラサンだったね。なんか凄いワイルドな感じだった。髭がトッピングされただけなのにね? もーステージの左右で髭(笑)。 …IN HEAVEN…の最後であっちゃん、霧吹いた気がする。続けてMACHINE。最後にあっちゃん、両手で親指立てて自分指してて、客席に背を向けた処で右手を左の腕に掛けて左腕を折り曲げる挑発ポーズをしてました。

唐突に、あっちゃんが放つ。「チューしよう」
始まるのは当然JUST ONE MORE KISS。"儚い恋に揺れて"の箇所、腰に手を当てて揺れてた気がします。この時にはもうヒデさん、グラサン取ってたかも。
んで、「ようこそ、いらっしゃいました…今夜は、たっぷりやりましょう(ニヤリ)」「楽しんでいって下さい」というあっちゃんのMCの後、おぉーう、SEX FOR YOUです。マイクスタンドを使って、ポール宜しく腰をグラインドさせたり、後半では股に挟んで腰を動かしたり…相変わらずな踊り子さん。照明はもち、どピンク!でした(笑)。続くは個人的に馴染みが無さ過ぎて帰宅してからチェックしました(…TABOO、苦手なんだよね、昔から);

M.A.D.は白痴っぽい言葉走りめ。あっちゃんはぺたん、と座り込んでた。先日のように真綿的に柔らかく歌うのも好きだけど、こう、舌ったらずみたいに締り無く言葉が走る歌い方のも好きだなー。
「キラキラしよう、キラキラ」と呟いてGLAMOROUS。んで、Tight ropeと続く。こう、結構高い位置から見てると、あっちゃん、きっちり綱渡りの感じに足を運んでるね。この流れはなんか幻想的で詩的だな、と思う。

密室も、座り込んだ気がするなぁ…途中からかも; ライトを掴んで、いつものように光線を乱すのかと思いきや、あっさり投げ捨ててた(何故だ;)。Schiz・o幻想では、今井さんもヒデさんも何故か中央へ進出気味で、かつやけに活発でした。ヒデさんもターンしちゃうし、今井ちゃんなんか「くるくるくる」ってトリプルでしたもん(普通に一回転も2度位してたけど)。そうして爬虫類的な足の動き…ごめ、ほとんど今井さんしか見てなかったです;

唄はなんか、久々に聴いた気がしました。"お前を愛しているのに"の箇所は勿論客席コーラスで。今井さんはすっげー低い位置から内股気味に腰を屈めてパート歌ってた…しんどくないのかなーといつも思う…

久々過ぎて最初何か分からなかった残骸…なんかノリ難いなー、と思ってたんですが、単純にモナドラの時はほとんどの曲をヘドバンで暴れてたんだというコトに気付きました; 寄る年波には勝てないですねぇ…

LONG DISTANCE CALLは直前に見てた映画がちらついて、違う方向で泣きたくなってました。極東もお久? 紅と白の閃光がやっぱ苛烈で。初めの方で、ステージ上手寄りの処でギター二人が揃ってて素敵でした。その後ヒデさん、花道行ったんだっけ? これも個人的に元々ヘドバンでノッてたので、ちょっと感触掴み難かった;


最後は鼓動で。なんか異様に本編終わるの早い気がする…もしやまた二部制? …と思ってたら、ENTER CROWNが。一応手拍子しつつ、内心「ぎゃー」みたいな。十三階、嫌いじゃないけど、聴きたい曲少ないんだよね;
メンバーの衣装とかは変わらず。あっちゃんがスタンドを杖のように構えて降臨です。しかしあのマフラー、時には縄の如く喉に絡ませたり、降臨では不遜の象徴めいて悠然と肩に掛けられてたり…なんか面白いです。

<第二部・十三階>は厭ー…っと念じてたら(うう、聴きたかった人には申し訳ないんですけど;)、続いてROMANCEが! やった、2曲だ! と(重ねて済みません;)内心ほっとする。最後の方で正面のお客さんの上手寄り・下手寄りに跪いてました。蜉蝣はやっぱメロディが綺麗ですね。あっちゃんが花道に行ったのってこれでしたっけ? 次の夢魔でしたっけ? 下手側の花道に来た時は位置的に見えないって判ってるのに皆で身を乗り出して追ってました。「神戸、神戸ベイベ」とか言ったように聴こえたんですが…真相や如何に。神戸は聴こえたんだけど、その後がよく判らなかった;

どの曲だったか、ROMANCEの時かな? あっちゃんの優雅な礼が見れました。夢魔の後はメンバー退けて、ゆたさんはジャケを抓んで姫風に礼を。去り際に転がってたPETを投げたか蹴ったかして、でも距離が足らなかったので改めて拾って最前の子に投げてました(つーか最前羨ましい。曲忘れたけど、今井さんも普通に触らしてたもんな、今回。珍しーとか思った)。


2回目アンコールは暗いままメンバー登場、ぽ…っと、3箇所、松明が灯る。「ちょっと早いんですが、まぁ、クリスマスプレゼントという感じで」とあっちゃんが語り。SILENT NIGHTです。厳かですね…後半はあっちゃんもストールに腰掛けてました(でも個人的には04の時の演出のが好きかも)。ぼんやり見える今井さんは、何故か西部劇のガンマンみたいな帽子を被っていました…

松明、途中で6つになりましたね、それも良かった。で、「今井さん帽子やし(謎な根拠)、ガツーンとアイコノとか来ーへんかな」とワクワクしてたら薄明かりの中を更に荘厳な賛美歌が…松明が消え、代わりに薄紫の視界を稲妻のような光の檻のようなスポットがヒデさんを浮かばせ、あっちゃんにも降り注ぐ。Jupiterです。あっちゃんは光の檻をゆっくり、旋回していました。

「この湿っぽいままは厭やなー」とか思ってると、そのままイントロはさくらに。生で聴くのは、多分初めてで。勿論、生で聴きたかった曲ですから嬉しかったのですが…いざとなると非常に戸惑いの方が大きかった。そうして一続きに歌うことであっちゃんが混乱しないといいけど…と不安になったのでした。

「最後なので、知ってる人は一緒に歌って下さい」的な言葉を紡いでCOSMOSへ。初めの方、あっちゃん、頬を拭ったように見えました。予想してなかった締め括りの選曲に、思わず「仙台と神戸、セトリ違うんやろか;」と在り得ないと思いつつも勘繰ってしまった(※この時はまだ仙台のネタバレは見てなかったので;)。
確かこの時は今井ちゃんが下手花道に最後来てて、やっぱり見えないけど皆して前のめり…英さんの時は皆普通やったのにね(苦笑)。最後は合唱で、一頻り声が揃ったあと、いきなり「ドラム、ヤガミ」と、あっちゃんがテキパキ、ゆたさん、英さん、今井さん、最後に自身を指してメンバー紹介をしてました。「来年も宜しく」のようなことも言ってたかな…案外あっさりと去って行きましたが。

ヒデさんはピック投げて退場。今井ちゃんも撒いたらしいけどよく判らない内に消えていた; 樋口兄弟は譲り合って(笑)、ゆたさん投げキス(ちゅちゅちゅ、って数度溜めて)+ピック撒き。特にコメントは無かったけど可愛いからいい。アニィはスティック・ドラムヘッド?を投げて退場。スティックは中二階を掠めたんだっけ? 相変わらず強肩だなー。ドラムヘッドはあんんま飛ばなくて、下手花道脇で争奪戦になっていました。


…つか、何しに今井さんは帽子を被ったんやろ; と。
終演後、会場を後にする最中に考えてしまいました; いや、Lucyの時の条件反射で、帽子被る→なんか盛り上る的な思考回路がですね、私の中では出来てたもので;
でもメンバーのテンションは高かったように思えたし、「最後は皆で暴れて!」っていう祭りっぽさは無かったけど、面白いセトリやったと思います。

# by yoiyamigentoukyou | 2006-12-21 01:29 | BUCK-TICK/Lucy

20061211 The Birthday Rollers Romantics Tour'06@京都磔磔

※セトリ…覚え切れませんでした;
既発のシングル2点+アルバムより、白い蛇と灯台-前/後編-以外はプレイされてました。後はLOVERSとか今度発売になるNIGHT LINEとか…正確じゃないけど4、5曲はやってたかな、と; つか、灯台2曲だけはライヴじゃ演奏しないのかな?

取り敢えず、この日が比較的暖かな気候で良かったです(関西、翌日から連日雨天…)。それでも全身汗で湿らせた身には終演後は冷えました(阪急川原町の駅内を濡れたTシャツ姿でわそわそと闊歩しまくって済みません;)。

あんまり、レポ出来る程余裕のあるライヴ鑑賞ではなかったので…検索とかで来てしまった人には先にお詫び致します; 普段以上に駄目日記です…


当日は朝から南座にて顔見世興行を観ていまして。三等席だったんですが、2年ばかり振りの南座は記憶してた以上に足回りが狭かったです…また例年よりも久々に時間長かったしね;

15:30過ぎに南座を出て、ちまちま、ドトール目指して四条を通過。思ってた以上に距離があった…道を間違って控えて来たのかとすら思いました; 無事にドトール発見、さくっと曲がると解体中の教会らしき建築があり、更に進んで目印の散髪屋さんの前へ。「さて」と見回すと…何処にも磔磔の看板が見えないんですけど?

おかしいなぁ、とその場でくるーり、周辺を見回してみると…ロマンスグレイな髪を下ろして紅い携帯片手に歩いてくる黒眼鏡の男性が。

">…え、あれ、嘘…イマイさん? 生イマイさん!?
通り過ぎる際に聴こえた声も見えた横顔も正しくご本人(心臓ばくばく、酸欠の金魚状態だったですよ;)。そのままちょい向こうの駐車場へと消えてゆく。

通話中でしたのでお声は掛けませんでしたが、多分何もせずに歩いていらっしゃっても声を掛けることは出来なかったと思います。でも折角のチャンスだったのになぁ…
まぁ、こんなコトもあるんですねぇ…入り待ち/出待ちとかしたことないし、今回も方向音痴だから先に場所を確認しておこう、と思って会場に行ってみただけだったんですけど。

とまれ、若干時間をおいて、イマイさんが向かって行った方向へ進むと。見えました、磔磔の看板。でも何か…あれ、壁突き抜けてない…?; とか思ってたら、駐車場の奥に在りました。物販はまだ準備を始めたばかりだったらしく、予定を聞くと17時半とのことだったので、四条に引き返して途中で見つけたINOBUNとか雑貨屋さんを物色。

それでも時間を余らせてしまい、早まるかも、とゆうてはったし、と17:15頃に再び会場前へ。丁度、リハ中でKIKIをやってはりました。一回スタさんに散らされて、時間かっきりに戻って、ソープとキーチェインとバッグと、悩みつつもヌーライ黒Tを購入。もうすっかり陽も落ちて来て、暗いねぇ、京都。
川原町まで戻って駅ロッカーに荷物詰めて、面倒だからそこでTシャツに着替えてパーカ羽織って。時間をジュンク京都で潰して18:203度会場へ。

手には勿論、ムックさんのマフラータオル。会場前の駐車場は人で一杯。意外に、若い人が多い。性別比は多分半々なんじゃないかな? 入場待ちの時に何処からか「ムックのライヴなんて土台が女の子やから~」という会話が聴こえて心底びっくりした(いや、両方聴くのなんて自分くらいかと思ってたんで;)。


割と入場は早かったですよ、130番台でしたけど。しかし何故にD代600円…そうして何故にドリンク強制前渡しなのか? …最後にしか飲みたくない奴だって居るんだぞ? 邪魔っつーか狭いハコなんだから危ないと思うんだけどなぁ。
とまれ、中に入ると凄い不思議な光景。レトロっつーか、味が在るというのか。さっと後方を見ると確かに段にはなってるけど只でさえ低めなステージが遠すぎる。前を見ると…まだ中央の柱付近までしか人が居ない模様。取り敢えず、柱付近死守すればいいかな、といつものように上手へ向かい…や、今日はハルキが見たかったんだ、と下手側へ。

磔磔は、造りが特殊なので、楽屋→ステージへの通路が客席の真横なんですよね。だから下手側の方が接触出来るので埋まるのが早い。うっかりセンター付近に立ってしまい…あれ、これチバしか見えなくね?; と思っていると、スタさんに前に詰めてと言われて早くもぎっしり圧縮; ぎゃー、下がれないよ、コレ?
…なんか、ほんと前方3列分くらいだけ、気持ち段が高くなってるんですね。厚底履いたって150にしかならん身では、センター3列目ったって全景なんか見えない訳で(最前は女の子だったけど前は男性だったし)。オマケに先にアルコール空けてる人が多いせいか微妙に酒のかほりが(アルコール駄目人間);

定刻をちょい過ぎて、アクトが始まりました。キュウちゃん、ハルキ、イマイさん、チバ…と登場。ちょっ、チバ近! つか髪伸びてるし! うわー、ギターがきっちり見えるよ! ←基本的に小さい為、大抵トルソーな位置までしか見えない。

キュウちゃんは多分、黒T? イマイさんは髪を撫で付けてライダース。ハルキは白シャツだった…髪切って、髭も無くなって、なんだかとても品のいい青年だった。
チバは黒ジャケ、インに黒地の赤と白の小花が散った感じのシャツ。襟はジャケの上に出してた。胸元まで釦は空けてて、なんかメダイが揺れてました(後でハルキ見た時思ったんだけど、ハルキもメダイ下げてたね。もしかしてお揃? なんかもう、ホント甥っ子みたいに可愛がられてんのかな、ハルキ)。ちなみに眼福なことにチバ、顎に髭を蓄えてました…それだけで何か仕合せだ(ほわーん)。


Lock OnLAZY SUBMARINEと流れるように始まるアクト。
あのね、単純にチバ恰好いいなぁ…としか感じてなかったかも(笑)。

だもんで、細かい曲々での記憶が…余りない…割と前半めのインターバルで、「相変わらず京都、ここ(磔磔)は暑ぃね」「…でもなんか(来るのを?)止められないんだよね」と、ちょいはにかみ気味の笑顔で話すチバにKO。いや、あの不意打ちな微笑は反則っしょ(何のだよ;)。

真ん中過ぎくらいのインターバルではキュウちゃんが「後ろの人は見えてないと思いますが」とか言ってた。後方から「何処ー」って返ってて笑えた。

KIKIの前では「京都には妖精って居る?」って言ってました。その後、多分だけどイマイさんが英語で何か言ってたように思う…聞き間違いかも;。

チバ「京都の春って何時から?」
客席「三月一日ー」
チバ「…なんだ、俺んトコと同じか(的な言葉)」
という掛け合いのあった春雷。この時だったか、前方では気絶したのかな、何人か救出されてました。そうして再び、じりじりと圧縮が;

stupidは合唱とかはあんま聴こえなかったけど、"磔磔の腹の中か?" とチバが歌詞を変えて歌ってくれたのでそこだけ「うおー」と野太かった(笑)。
あと、多分JOINの間奏の時だったと思うけど、ハルキの方を指して「ベース ハルキ」みたいなこと言ってた(仕草だけだったかも)気がする。違う曲かも知れない。でも初めの方と合わせて2回くらいハルキ指してた気が。

で、当のハルキはゆらゆらと、時に頭を振りつつ。なんだったかな、チバと向き合ってた時があったんだけど、曲が判らん;


あとは…最後の方。「何とか(バラッドの前やったから、バラッドって言ってたのかも。聴き取れなかった;)は聴いたことある?」とか言って、焦燥のバラッドとかNude Riderとか烈しめのを3曲続けて。…ごめん、もう酸欠にならないように気道確保するだけで一杯一杯でした; 押しが凄いのなんの; かつ周辺の位置取りというか、色々と激戦でした…周辺の人、申し訳ない; 前のお兄さん、ずーっと背中にしがみ付いてて済みません; 左右隣のお嬢さん、骨での押し合いになってしまってごめんなさい; …何回か入れ替わったけど、真後ろの人、私自身は跳ねてはいないんですが、周辺の揺れに合わせてたせいで何度も顎に頭突き状態で本当に申し訳ないです(流されたせいで謝れずに終わってしまったので;)。

本編ラストのSherylは、淡々としていながらも何か、あったかい曲でした。
しかし、DVDとか過去にCS放送を録画したテープとかで見てたけど、ほんっとにチバさん汗が滝(笑)。びっくりするくらい顎から垂れてた。


一回メンバー退けて。割と、直ぐに戻ってきてアンコール。チバはジャケ脱いでた。ハルキもツアTに着替えてたかな…

チバが「来年一月に新曲を(シングルを?)出そうと思ってて…あ、出すんだけど」「それやろうかと思ってたんですが(間+ざわつく客席)…やっぱやるわ」とMCして、新曲。これがNIGHT LINEなんですかね? 歌詞は覚えてませんが、曲はやっぱ恰好いい。

さて、この曲の途中でやや後退せざるを得なくなって、続くKing Motor Hausで男性がわーっとモッシュ態勢に入ってしまいどんどん後方へ。つーか全然ステージ見えない(T△T)。どんだけ皆暴れるんだろう…つか、チバの「京都府警に捕まんないようにな」って;

最後のハレルヤは、上がって来た男性陣に振い落され、かつKing Motor Hausの終わりで強引に下手に行こうとする客に流されてあっさり下手側の住人になってしまって居たので、流石にまったくチバ見えず(苦笑); ま、本編の間はほぼずーっとチバ見れてたしね、折角なのでハルキ見てました。可愛いぞ、ハルキ。轟音って訳じゃないけど、じんわり絡む感じだね。それもさらっとした感じで。なんか凄い不思議。

ハレルヤは、最初の方にアレンジがあってちょっと新鮮だった。チバの絶叫は本当、迫るね…優しいよね。
最後に捌けてく時、悩みつつも折角なので頑張って、腕を伸ばしてみました。ハルキは凄いあっさり通り過ぎてしまって手は届かず。次に来たチバは何故かお手上げのポーズで横歩きだった…触られたくなかったんだろうな…と思ったのですが、何か私も引き込みが付かなくて「ちょん」と左の脇腹付近に爪先を…えーと、あんなに汗かいてたのに、なんかシャツ越しのチバの胴はさらっとしてた。続くイマイさんは何処に触れたのか覚えてません…多分、左腕だと思う。最後のキュウちゃんは何人か握手してたね。私はやっぱり気後れしてしまい、ひそりと左の二の腕だったと思うけど、そこにタッチしてみた。

…ほんと、幽かな接触…感触とか覚えてないです…ただ、間近で見たチバは(ハルキもだけど)華奢でした…。


楽屋に消えていくのを見送って、そろそろと外に出る。ぅお、寒! 慌てて腰に巻いてたパーカを羽織りましたが…パーカも半分以上が汗でぐっしょりでした…気付くとジーンズも腿まで湿ってる…腰の辺りはぐっしょり;
大慌てで、駅へ向かう。途中で引き換えてたカルピスを飲みましたが…缶は方々凹んでて、かつ人肌の温度でございました…今回はほんと、Tシャツに着替えてて良かった! まだ上半身なりとも温かくして帰れる(大阪まで)。

そういえば終わりの方で「また来年」とか言ってたね。大阪公演は多分行かないかもだけど、新曲とか凄い楽しみだ。

# by yoiyamigentoukyou | 2006-12-12 01:37 | The Birthday

完成されないから、欠けているから。
多分、美も醜も、補完し合うことで成り立っている同一の何か、なのかなぁ?
…そんなことを、ぼんやり思いました。


吹雪舞う白々とした日中、愛弟子・シーレだけが見守る病室でその生を終えようとしている画家・クリムト。朦朧としてゆく意識の中、語られ始める、切り取られた彼の生の縷々とした物語。


非常に豪奢で、繊細で。モノクロの残された写真でしか見ることの出来なかった衣装デザインや制作風景が極彩色で其処に在る…華やかで、同時に腐れている、そのバランスが歪で眩暈がする。

私は、中学の時かな、同朋舎でしたっけ? 現在の週間分冊の走りのような、西洋絵画の週間分冊の一冊でクリムトの絵を知りました。中学時代は月のお小遣いは3000円で、この分冊誌は確か、550円くらいしたと思うんですね…単純に毎月お小遣いの7割を持って行かれてしまってたんですが、今も時々眺めます(といっても好きな画家のしか見ないけど)。

なんというか、文様のような意匠が能とか歌舞伎の意匠にも似てるようで、金箔をふんだんにあしらわれた女性たちのうっとりした表情がとても柔らかで。
[ダナエ][金魚][接吻]…[ベートーヴェン・フリーズ]。大好きな絵を数え出したらキリが無くなりますが、どれも流れるようなラインの美しさというか凄絶さに、心底、魅了されたことを覚えています(クリムト展でもぼーっと観てた)。


クリムトというと、スキャンダラスな、という印象がありました。厭らしい意味じゃなくて、露悪的というか…こう、本当に愛している、傾倒している存在に対しては恐ろしくストイックなのに、それ以外のことに関しては開放的というか(母親の異なる子供が何十人と居たりとか)。
凄く、不思議な存在でしたが、このフィルムに接して、更に一層不可思議な印象は強まりました。

クリムト自身がひとつの目という器官。
その生の時間自体がひとつの大河、一条の水流。詰まる処、誰だってそうなんだけれど。

極めて鋭敏に、その視覚を研ぎ澄ますことで、クリムトは鏡に近しい処まで自身を引き上げたのかな、と。
そこまで自己を透過出来た人だったのだとすれば、その作品が逆に彩りに充つのも当然なのかも。


クリムトの生涯を追うフィルムなのかと思っていましたが、多分、鑑賞者に「お前は誰だ?」と問う、視線のフィルムでした。

とまれ、当時のウィーンとは、パリとは、を想像する時、きっと私はこのフィルムの視界を思い浮かべることになると思います。爛熟し、退廃してゆく流れは、現代に似てるけど、比べ物にならないくらい優雅で、厭らしい。

# by yoiyamigentoukyou | 2006-12-01 20:47 | 映画も観る

端的に言い切ってしまうなら。
最後の一文でそれまでの物語世界を崩壊させ得るような、そんな強靭な意思を持つフィルムだと思う。


7年振りに再会を果たした、かつての高校野球部メンバーの9人。語らう過去は共有の記憶のはずなのに、何故か合致しない…やがて、9人は校庭から掘り出したタイムカプセルの開錠に取り掛かる。9人が持ち寄った、9つの鍵…しかし、鍵穴は10個。何が、誰が足りないのか?


記憶って何だろう?
記憶出来るって仕合わせなのかな? 哀しいのかな?

断片が埋まり、そこから零れ落ちた視界に。
知らないうちに泣いてました。
ぼんやり追い掛けてると…なんか矛盾した、捻子くれた結末に見えるかも知れないですね。


以下、ネタバレ込みでの雑感です。



七藝の入り口、写真に収めるの忘れました…凄い趣のあるシアターですよね、歓楽街にあるのが嘘のよう。
ついでにレイトだというのに子連れの家族客が居たり、老夫婦が居たり。謎過ぎる…

開演前、東條監督さんと、出演者の武田さんによるご挨拶があったんですが、スカンと忘れてて最後尾付近の席に着いてしまった為あんまり見てない…監督さんは何か、噛みまくってたような気がしますが。

「ミステリとかサスペンスとか、言われてるようですが、それだけでは無い作品を作りました」という感じの言葉を残されて去られたのですけど、観終った時、「正確な表現だな」と感じました。

洋館の一室での、台詞劇。徐々に重く圧し掛かる齟齬による不安と焦燥…結末の鮮やかな逆転性。
切れ味鋭く反転させて魅せるのが安部公房の視界だとすると、[ジュウブンノキュウ]の視界は錆びた刃による傷が後から致命傷と転じるような緩やかな反転という感触。

弟と一緒だったんですが、ヤツは順行で内容を受け止めたらしく、「面白かったけど全員記憶が変なん?」とのたまいました。
…確かにストレートに受け取ると、エンドロールで最大の齟齬が発生してしまう訳で(苦笑)。

一応、電車の中でミスリードの例を挙げて、最後のモノクロの視界が現実で、フルカラーの視界のが夢なんやと思うで、と言ってはみたんですが。

なんつーか、それが切ない。
一応、パンフ買い損ねたんで、公式サイトで確認はしたんですけど…合ってはいたけど、それだって正解じゃない(と思う。思いたい)。


自分の存在を、最初から無かったことに出来れば。
それが嘘だとしても…願い続けて真実になるなら。


建前の願いはホンモノ。
だけど忘れて欲しくないと云うエゴだってホンモノ。
詰まる処、脳に騙されずに生存することなんて叶わないイキモノだから。

それが沢山の、写真から零れてて。
それが凄く儚くて哀しくて遣る瀬無くて。





運んで良かった、出会えて良かったフィルムでした。
役者が新人で、先入観が持てない状態での鑑賞になったのもプラスに働いたんだと思うけど…身近に、友の死を経験してたからこそ、迫るものがあったんだろうな、と。

思います。
※当方、10人目の視点の存在を軸に鑑賞しましたので、多分というか大いに受け止め方がズレてると思われます。言葉が足りず、申し訳ありません;

# by yoiyamigentoukyou | 2006-11-24 20:50 | 映画も観る